ぷれぽ

【ぷれぽ】本番の様子をレポート!気軽にクラシック「500円コンサートの日」

更新日:2019年05月06日

 今日は「気軽にクラシック『500円コンサートの日』」。国内外で活躍するクラシック演奏家の演奏から合唱や吹奏楽まで、多彩なコンサート7公演を、メディキット県民文化センターの3ホールで楽しめるこの企画。0歳から入場可能なコンサートもあるので、小さな子どもたちや、子育て中でなかなか音楽を聴きに行けないというお父さんやお母さん、文字通り「気軽に」クラシック音楽に触れる絶好の機会ですよね!しかも、各公演ともワンコインで聴けるんです!

 

 最初の公演は、ヴァイオリン・礒絵里子さん、フルート・高木綾子さん、ピアノ・坂野伊都子さんによる「0歳のための音楽会」。客席は抱っこひもで赤ちゃんを胸に抱いたお母さん、まだよちよち歩きの子どもたちでいっぱい。

 

 

 

 今回は、世界各地の踊りの音楽で構成されたプログラム。ワルツやポルカなどリズミカルな音色に、思わず体が動いている子どもたちもいます♪途中、バッハ「メヌエット ト長調」に乗せて、みんなで踊るコーナーも。リハーサルでお2人が一生懸命考えたという動きを真似しながら、頭や脚、おなかをたたいて3拍子のダンスを楽しみました♪

 ホール内では赤ちゃんの泣き声がしたり、子どもたちが歩き回ったりと賑やかでしたが、それを気にしないで良いのがこのコンサートの魅力。子どもたちの興味が赴くままに動いてもらって、音楽に親しんでもらえる素敵なプログラムだと感じました。

 

 劇場の外では軽食を販売するキッチンカーが並び、休憩や食事ができるスペースもたくさん設けられています。今日は天気が良くて心地よい風も吹いているので、コンサートの合間にのんびり休憩するにはぴったりですね♪

 

 

 さて、コンサートはおよそ30分間隔で次々と行われています。宮崎学園高等学校吹奏楽部や宮崎国際音楽祭ジュニア・オーケストラの演奏、宮崎市立小松台小学校、宮崎大学教育学部附属中学校の合唱部、大人の混成合唱団「宮崎カノンコーラス」がこの日のために結成した「みやざきSPECIAL CHORUS」のすてきなハーモニーが会場を彩っています。

 

 

 また今回は、この音楽祭に合わせて実施されている教育プログラム「第9回ミュージック・アカデミーinみやざき」で講師特別賞を受賞した「カルテット・アマービレ」によるコンサートも。

 

 

 エントランスではMRT宮崎放送のラジオ番組「GO!GO!ワイド」の生放送が行われ、坂井淳子さんと川野武文さんの息ぴったりの掛け合いで会場は大盛り上がり!

 

 

 夕方からもスペシャルなプログラムが続きます。

 「お箏でクラシック~箏×フルート~」には、若手で今最も活躍している箏奏者の片岡リサさんが音楽祭初参加。フルートの高木綾子さんと初のコラボレーションです。まずは片岡さんのソロ演奏。片岡さんが中国の広東省を旅したときに作曲した「Canton Road」から始まり、箏の仕組みや、実は箏は歌いながら演奏する楽器だということなど、豆知識も披露。より深く箏を知ることができて、勉強になりますね。越谷達之助「初恋」で伸びやかな歌声も聴かせてくれました。

 

 

 高木さんも、箏とタッグを組んで演奏することの多い楽器・尺八の音色をフルートで出してみるなどユニークなチャレンジも。普段の演奏会ではなかなか見ることのできないチャーミングな姿が見られて、得した気分です♪

 最後は、令和元年のスタートを言祝ぐ気持ちを込めて、と宮城道雄「春の海」を2人で演奏。清らかなフルートと軽やかな箏の音色の相性の良さを知ることができました!

 

 1日を締めくくるのは、日本各地のオーケストラのコンサートマスターが集結するという、およそほかでは聴くことのできない特別企画「徳永二男とコンサートマスターズ」。昨年とても反響が大きかった「コンサートマスターズ」に、音楽監督の徳永さんが加わるという最強の6人が出演するとあって、開場前には長蛇の列ができていました!

 出演は徳永さん、三浦章宏さん、扇谷泰朋さん、髙橋和貴さん、長原幸太さん、水谷晃さん。あいさつ代わりのブラームス「ハンガリー舞曲第5番」で幕を開け、クライスラーで1人ずつ演奏。徳永さんは巨匠ならではの気品あふれる音色、扇谷さんは優雅な憂いを帯びた音色、三浦さんは軽やかで洒脱な音色。そして若手の水谷さんは正統派の中にエネルギーを内包した音色、長原さんは艶と色気にあふれた音色、髙橋さんは壮大で雄弁な音色。皆さんの「色」が分かっておもしろいですね!

 

 

 そして後半は、超絶技巧満載の名品、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調作品64」とサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」をリレー形式で演奏。確かな美しさを持つそれぞれの音色にも感動しましたが、演奏している人の顔をわざとのぞき込んだり、タイミングを外してみたりと6人は和気あいあい♪仲の良さが伝わってくる楽しい時間になりました。

 こんな風に、国内のトップ演奏家自身が、世代の垣根を越えて楽しめる国際音楽祭だからこそ、20年を超えて続いているのだなと感じました♪(文:劇場レポーターのPyonさん)

 

 

Photo:team Miura