【ぷれぽ】もう一つの小さな音楽会vol.1
更新日:2019年05月14日
5月11日(土)に日髙本店プロショップで、もう一つの小さな音楽会vol.1が開催されました。開場時間には、会場の上階にある開放的なガーデン空間で、日差しが和らぎ心地よい風が吹く中、ウェルカムドリンクが振る舞われました。
今回のチケットは完売しており、早い時間から会場には多くのお客様の姿が見受けられ、お客様の期待の高さが伺えました。それもそのはず、今回は音楽監督・徳永二男さんとピアノの名手・坂野伊都子さんのコンサート。両名の演奏を聴こうと、同日開催のSpecial Concert 2 ズーカーマン「至高のアンサンブル」の演奏会を終えた三浦文彰さんをはじめとした、演奏家たちの姿も!
まず一曲目にお送りしたのは、モーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ 第21番 ホ短調 K.304」。この曲は、モーツァルトの作品の中では数少ない短調のもので、いわゆるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタとは少し作風が異なる作品。演奏が始まるとヴァイオリンとピアノが奏でる優雅な音色が会場に響きわたり、会場全体が息をのんでその演奏に聴き入っているようでした。
次にお送りしたのは、その腕前の凄さから悪魔的とも評されたヴァイオリニスト兼作曲家・パガニーニの作品「パイジェルロの『水車屋の娘』より『うつろな心』による序奏と変奏曲Op.38, MS44」。ヴァイオリンの超絶技巧の粋を凝らしたこの一曲を、徳永さんは「三浦文彰くんはアンコールでさらっと弾いてしまうけど、私にとってはリハビリみたいなものです(笑)」と紹介し、会場の笑いを誘っていました♪弾きながら弦をはじいたり、弓がとんだりはねたりするような難易度の高い楽曲に、お客様はもちろん演奏家の皆さんの多くが、身を乗り出すようにして徳永さんの手元を真剣に見入り、奏でられる音に耳を傾けている様子が伺えました。
最後にお送りしたのは、R.シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18, TrV151」。こちらの曲も、ヴァイオリニスト・ピアニストにとって難易度の高い一曲。その難しさのあまりに演奏家にとってもエピソードがつきものということで、徳永さんの苦いエピソードに会場では思わず笑いが沸き起こるシーンも。徳永さんが「手触りのいいシルクをぎゅっと束にしたような、美しく力強い音を奏でるピアニスト」と評する坂野さん。お二人のヴァイオリンとピアノが優雅に歌い上げ、身を乗り出して聴く方、椅子に深く腰掛けて目を瞑り音に身を委ねる様子も。
お二人の演奏に拍手は鳴り止まず、アンコールを2曲お届けしました。1曲目はマスネ「タイスの瞑想曲」、2曲目はクライスラー「愛の喜び」。プログラムの3曲とは対照的な、ゆったりとして落ち着きのある2曲で演奏会が締めくくられました。皆さん心地よい余韻に浸りながら、終演後に上階で行われるパーティーへと足を運ばれ、素敵な夜をお過ごしいただけたのではないでしょうか。(広報A)